KindleVoyageを1年間つかった感想
Kindle Voyage(キャンペーンなし、Wi-Fiモデル)を使い始めて1年ぐらい経ったので使い心地をレビューしたいなと思います
メリット
軽くて薄い
Kindleを始めとする電子書籍の魅力って、その手軽さだと思います
VoyageはKindleシリーズでも最薄の7.6mm
文庫本と比較しても一般的な文庫本(写真左、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』)のおよそ半分の厚さ
僕が持ってた一番分厚い文庫本、京極夏彦さんの『魍魎の匣』(写真右)とは比べ物になりません
(こんなに分厚いと読むのに支障が出てきます。なぜ上中下巻にわけなかったのか)
大きさ自体も文庫本より一回り大きいぐらいで
横幅はメンズのボトムスの尻ポケットにちょうど入る幅です
カバンに入れても文庫本と比べて必要なスペースは変わらず、
それどころかページ折れの心配もなく、持ち運びには便利です
片手で操作できる
本って基本的に両手で読むものだと思います
文庫本なら片手で支えて、なんとか片手でめくることもできます。訓練すれば
ただ電車の中だとカバンを持ったり、つり革を握ったり、両手が使えず
しかしエアコンの風でページがめくれたりして
片手で読むのは無理があろうと思われます
その点Kindleなら片手で持て、片手でページがめくれ、風にページがまくられることはありません
単語検索
本を読んでいると、時たま知らない語に出くわします
Kindleには辞書が標準搭載されており、シームレスに意味を調べることができます
またインターネットに接続されていればWikipediaからも調べられます
紙の本だと、いちいちスマホなり辞書を取り出さないといけないので、地味に便利な機能です
デメリット
紙“みたい”
Kindleは電子インク、反射の少ないディスプレイを採用し、
非常に紙に近い質感になっています(左が紙、右がKindle)
紙に近いとはいえやはり画面のツルツルさや裏にかすかに透ける文字など
どうしようもありませんが、やはり紙とは違います
紙にもなりきれず、スマホやパソコンのように艶やかなディスプレイとも違う
この違和感に慣れるまでしばらくかかりました
違和感こそなくなりましたが、どうにも電子書籍で小説を読むと味気ないものに感じてしまい
小説だけは紙の本に戻ってきました
容量
最近PaperWhiteに32GBのマンガモデルが登場しました
しかしそれ以外のモデルは4GBです
本・コミックだけとはいえ、少ないです
僕のKindleには本が80冊、コミックが40冊、自炊本が6冊が入っているんですが
容量がギリギリです
本は文字データだけで容量が少なく数千冊入るんですが、
コミックや自炊本だと画像なので必要な容量が段違いに多い
なのでそんなにたくさんは入らないんです
動きの遅さ
最新のスマホと比べてゲームだ、高画質の写真だのを扱う必要がない為か
マシンパワーがありません
電子インクなので画面表示もヌルヌル切り替えることもできず
動作がとてももっさりしています
読書自体には問題はないんですが、コレクション(フォルダみたいなもの)の編集だとか
文字の入力だとかには、少しばかりストレスを感じてしまいます
UI
UI(ユーザインタフェース)が、正直まったく良くないです
Kindleの前はAppleのiBookを使っていたんですが
iBookだとシリーズ物の作品は自動的に表示がまとめられ、きちんとソートされます
Kindleだとそんなことしてくれないので自分でコレクションにまとめたり、あるいはそのまま放置です
ただ上記のとおり動作がどうにも遅いので仕分けるのもなかなかイライラします
ホーム画面はiOSに似ているんですが(ページが右に追加されていく)
本を読んでいてホームボタンを押した時
本の入っているコレクションやホーム画面のページに戻らず、
いきなりホーム画面の一番先頭の位置まで戻るのも頭痛の種です
下位機種との違い
電子インクを採用したKindleにはKindle、PaperWhite、PaperWhiteマンガモデル、Voyage、Oasisがあります
(僕が買った時はマンガモデルとOasisはまだ発売されてませんでした)
いちおう左から順に右行くほど値段が上がり、いわゆる上位機種になります
マンガモデルを除き容量は変わらず、Oasisを除きバッテリの持ちも変わりません
ただどの機種も1週間ぐらいなら普通にバッテリが持つのでそこまでバッテリが気にしないでいいのかなと思います
Oasisはただ単にカバーにバッテリ内蔵してるだけですし・・・
解像度は最下位機種のKindle以外はすべて300ppiとほどほどの高解像度です
ページめくりボタン
Voyage以上の端末にはページめくりボタンが搭載されています
Kindleシリーズは画面にタッチしてページをめくるんですが
ボタン搭載機は画面横のボタンでページめくりができます
ボタンがないと指が画面を行ったり来たりしなきゃいけないので
嬉しい機能です
明るさ調節機能
いつも同じ空間で読むならいらない機能ですが
夜、薄暗いベッドで読んだり
明るい屋外で読んだりと、いろいろな場所で読むという方ならあってもいい機能
ただPaperWhiteにも内蔵ライトは搭載されているので手動で明るさは変えられるそうです
結局、どれにするよ・・・?
最下位のKindleを除き、画素数もバッテリは皆同じで
プライム会員(体験中でも可)向けによく割引キャンペーンをやっているKindleやPaperWhiteと比べVoyage、Oasisはコストパフォーマンスは決していいとは言えません。
上位機種は明るさ自動調節、ページめくりボタンが搭載されてはいますが、
それで1万円以上の差が出るとも思えません。
安く済ませたいって方はPaperWhiteでいいんじゃないかなと思います
ただ僕がVoyageを選らんだ理由はそこではなく、
ディスプレイのデザインがPaperWhiteではディスプレイに樹脂製のケースが重ねられているのに対し、
VoyageではiPhoneのように1面ガラス張りになっていて、見た目の良さで選びました
3GかWi-Fiか
Kindleで最大の論点、それが「3GかWi-Fiか」だと思います
個人的にお金に余裕があれば3Gでもいいんじゃない?って感じました
3Gだと複数端末で読んだ位置の共有が常にでき、本もダウンロードでき、Wikipediaからも調べられます
ただ出先で読んだ位置の共有が必要なのか、本をダウンロードする必要があるのか甚だ疑問です
本ならもともと数千冊入るのであらかじめ入れておけばいい、というか僕の場合入れっぱなしです
それに・・・
マンガは3G回線ではダウンロードできません
マンガは3G回線ではダウンロードできません(大事なことなので)
どうしても出先で読みたくなった本があれば3Gよりも速いLTE回線なテザリングでいいかなって思ってWi-Fiモデルを買いましたが、未だにテザリングのお世話になってません
まとめ
なんだかメリットよりデメリットの方が、項目が多くなってしまいました
個人的には便利なんですけど、本=紙という固定概念が定着した旧人類なので
どうしても電子書籍だと読書体験が乏しく感じられます
本のフォントやレイアウトをどうするか、紙はどんなのを選ぶか、表紙のデザインは、ページをめくる感触etc.そういうのを味わうのも読書の一部だと思ってしまうからです
ただ何百何千もの本が薄い端末に入る利便性はあります
かさばりがちなマンガや、味わいを感じる必要のないハウツー本などはKindle、
小説などは紙の本と、棲み分けて使っています