何者にもなれないぼくたちは

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京都・祇園「建仁寺」に行きました

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今年の晩冬頃に京都・祇園にある建仁寺を尋ねた。
これが実に素晴らしい古寺であった。

 

 

概略 建仁寺

建仁寺は1202年(建仁2年)に、源頼家 鎌倉第2代将軍の援助で
栄西禅師がひらいた寺である。
栄西禅師は言わずと知れた禅宗の1つ、臨済宗の祖で
建仁寺は国内最古級の禅寺だそうだ。

寺内に入ると、凛とした静寂に身がひきしまる。
色々な建物(伽藍)があるが、拝観料(大人500円)を納めれば
本坊と法堂、方丈の内部や東陽坊(茶室)を観てまわれる。
伽藍ごとに拝観料が必要である寺社が多いなか、観行客として単一料金な明朗会計はありがたい。
しかも見学できる内容に対して500円はかなり良心的な料金なのである。
建仁寺に行きたいと思ったのは国宝・風神雷神図屏風(作・俵屋宗達。原本は京都国立美術館に寄託され、普段は複製が展示されている)を観たかった、ただそれだけで特に下調べを全くせずに尋ねたのだが、実際に行ってみてビックリした。
かなり観ごたえがあるのだ。

重要文化財に指定された襖絵の数々。(風神雷神図屏風同様に、複製)

石庭をはじめとする澄んだ枯山水の庭々。

古くから伝わるものばかりではなく、現代の作家らによる天井図や鮮やかな襖絵があり
旧套墨守にならず、柔軟に現代の文化を取り入れる姿勢も伺える。

特に天井絵の素晴しさは格別だ。
本坊・方丈で風神雷神図屏風雲龍図を眺め、満足した後、
さて法堂でも見て帰ろうかと、石庭を横に見ながら渡り廊下をトコトコと歩いて法堂へと向かう。
明るい外から薄暗い法堂に入ると、明るさの違いで一瞬目がくらむが、暗さに慣れた瞬間、天井に描かれたの双龍図が視野いっぱいに広がる。開放感を伴った感動が溢れ出る。
寺内に入った時とは違った緊張感が法堂には満ちており、天から睥睨する龍に畏敬の念すら覚える。

 

 

祇園という周辺エリア

アクセスの良さや周辺に観光スポートが多いのも魅力だ。
祇園に位置し、電車やバスの駅から徒歩10分以内で駐車場もある。
周辺は歩くだけで楽しい町並みに、よーじやカフェ八坂神社がある。

祇園という地名は、この八坂神社に由来する。
祇園は「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。」(平家物語)で有名な祇園精舎からとられている。
祇園精舎は須達長者(スダッタ)が釈迦に寄進したのだが、
八坂神社も藤原基経が居宅を寄進し、堂宇が建立されている。
仔細は割愛するが藤原氏の行為が須達長者のそれに似ていることから、
八坂神社は祇園社と呼ばれることになる。
祇園精舎を守護する牛頭天王を祀っているからという説もあるが、
八坂神社の祭神としてその名がでてくるのは、
藤原氏が寄進した877年、祇園祭が始まった10世紀後半よりも後の、1148年以降である。
明治の神仏分離令により、仏教色の強い「祇園社」という名前から「八坂神社」に、
祭神も「牛頭天王」から「素盞嗚尊(スサノオ)」に改められた。

 

さいごに

枯山水や日本美術、日本建築をといった
古都・京都に来たなら見ておきたいものはたくさんある。
建仁寺ならそれらをあまねく楽しめる。多数の見ごたえのある伽藍や美術品があるからだ。
加えて周辺にも観光名所が多数あり、移動に時間をかけず1日中京都という街を味わうことができる。
京都は歴史的遺産にあふれ、町並みにも気を使い、さながらテーマパークのようで心踊る。
もうすぐ夏休み。旅行を計画している人も多いだろう。
建仁寺、そして祇園で存分に京都を堪能してみてはいかがだろうか。