デジタル一眼でピンホール写真を-Pinhole Pro S11
近年、iPhoneが登場してからだろうか、Instagramが登場してからだろうか。
無料のアプリで簡単に写真を加工できるようになり、レトロカメラで撮ったような写真が溢れかえった。
だが所詮はなんちゃってであり、フィルムの一眼や写ルンです、チェキといったホンモノのレトロカメラに手を出す人もいる。
でもデジタルカメラ持ってるから、もう一台カメラを増やすのは予算的にもスペース的にもキツいという人向けのレンズをひとつ、紹介したい
ピンホールレンズ Pinhole Pro
カメラの歴史はピンホールカメラまで遡ることができる。ピンホールを通して映像を写しこむ。
構造は簡単で、原理はおもしろいので子ども向けの科学実験で作られることが多い。
現代のカメラはレンズで映像を写しこむことがほとんどだが、Pinhole Proならデジタル一眼やミラーレスでもって、このピンホールの手法で写真が撮れる。
旧時代のカメラと比べ、現代のデジタルカメラは大きく進化している。
短時間で撮影が可能だし、何百何千もの枚数を1つのSDカードで撮れる。
高感度なISOやWB、RAW現像といったデジタルカメラならではの機能もある。
この高性能さでもって、古典的な撮影技術を現代に蘇らせるのがPinhole Proなのだ。
Pinhole Pro S11
今回購入したのはミラーレス用の新型レンズのPinhole Pro S11。
広い視野角が特徴で、これを実現できる技術の高さがウリなのだそうだ。
ご自慢の視野角は120°の超広角。ぼくがメインで使っているレンズが61°なので、2倍ほども視野が広い。
レトロな写真が撮れるレンズとして、写ルンですのレンズを再利用した「GIZMON Utulens」を購入検討していたが(薄くて安い)、
この視野の広さが面白いなと思って、Pinhole Pro Sを選んだのだ。
作例
夜に届いたので初撮影は室内で。
シャッタースピードは5秒、ISO感度は1600。この設定でも結構暗い。(イメージセンサが汚れていたのでゴミが写り込んでいる・・・)
撮っている最中もカメラの画面は暗いのでシャッターを切って初めて、どんな写真になったかわかる。フィルタカメラのドキドキをちょっと体験できた。
それなりの明るさを確保するには屋外の方がいいだろう。
こちらは曇天下。周辺減光でピンぼけ、アンニュイな色彩。レトロな風合いに撮れている。
晴天下ではシャッタースピードを早めたり、ISO感度を下げてもある程度の明るさは得られるので、ノイズを減らせる。
手ブレも抑えられるかなと思ったが、ピンぼけしているのでそちらに関しては判別がつかなかった
さいごに
ピンぼけはするし画面は暗い。正直言って使いにくい。
それでも光がやわらかく写る良さがあるし、予期せぬ出来上がりに一喜一憂する今までデジタルカメラでは味わえなかった体験ができる
室内でも使えなくはないが、どちらかというと晴れた日の屋外で使うのが良さそうだ。
周辺減光はするが、もともとの視野が広いので切り取りたいものを十分に納めた上で、減光を含めて画角を取ることができる。
メインで使っているレンズが万能選手でどんな場面でも活躍してくれる優れものだが、1本ぐらい思い通りにならない、その時その時違った表情に仕上がるレンズがあっても楽しい