【2019夏旅】MUJI HOTEL GINZA
2日目はMUJI HOTEL GINZAに宿泊した。
今年の春に開業した無印良品が手がけるホテルだ。
客室
MUJI HOTEL GINZAの客室は総じて細長いのだが、天井高がたかいのと、奥に行くにつれ明るく、そして視線を遮るものがないので広々して見える。
泊まったのはツインのタイプE。畳の小上がりにソファとベッドがあるのが特徴。
入ってから圧迫感がある木の壁のなかにクローゼット、トイレ、バスルーム、本棚が収まっている。
もう散々プレスや個人のブログ・YouTubeに画像があがっているので細部まで写真は撮らなかったが、コンセントが隠れていたり、スイッチにピクトグラムが貼られわかりやすくなっていた。
世の中のテプラ標識は、ピクトグラムと日本語(加えて英語)を小さく添えるだけで駆逐されると思うのだが・・・。travel.watch.impress.co.jp
小上がりの上は「くつろぐスペース」、板間は何かしらの「動くスペース」にわけられている。
家だと1箇所でくつろぐことから食事、仕事までこなしてしまったりしてしまうが、キチンとゾーニングしているのは良いアイディアだなと思った。
ものを使う場所も自ずと限られるので、ベッドやソファの上に服が散らかって・・・ということも無さそう。
驚いたのが無垢のフローリングが一面に敷かれていることだ。バスルームを除いて、トイレまでフローリングだった。
無垢材が汚れがつきやすかったり定期的なメンテナンスが必要で、個人宅や小規模店舗ならまだしも、不特定多数の人物が出入りし清潔さを保っておかないといけないホテルで採用するのはなかなかにチャレンジャだ。
それでもコンセントやスイッチの工夫、無垢のフローリングや塗り壁といった素材感を活かした内装すべてが相まって、心地の良い空間を生み出していた。まさに神は細部に宿る。
朝食
あんまりレストランで写真をとるの好きじゃないので、写真は一切ないです。
朝食はフロント横にあるレストランWAにて、7:00から供される。朝食券ではなく、入口で部屋番号を伝える方式だった。
ビュッフェ方式で、和食と洋食のメニューがあった。
洋食はサラダやスクランブルエッグ、食パンとクロワッサンと定番なものが並んでいた。トースターはホテルによくある回転式のタイプ。食パンがモチモチで美味しかった。
和食レストランなので和食は充実していた。ご飯はコシヒカリ(蛇紋岩米じゃないんだ・・・)
おにぎりや焼き魚、煮物、温泉卵などなど。
メニュー数は多くはないけど、それでも選べる楽しみがあり品数で、手の込んだものが多かった。
いちばん美味しかったのが出汁茶漬け。やや塩味が強い気もしたけど、嫌な塩辛さはなくて、出汁が滋味深い。連日猛暑の中歩き回ってボロボロの身体に染み渡る・・・。
次いで美味しかったのがサラダのごまドレッシング。市販のごまドレッシングってトロトロした液体状だけど、WAのは違う。すりつぶしたごまに調味料を加えたペースト状。いちばん近いのはピーナツバターだろうか。
ごまの風味が濃厚で、酸味が控えめなのでご飯のお供にもなりそう。無印良品で売っていたら爆買いする・・・。
印象
MUJI HOTELのコンセプトは"アンチゴージャス アンチチープ"だそう。無印良品らしい。
ホームページにはこんな文言が掲げられていた。
泊まりながら無印良品を楽しんでいただける「MUJI HOTEL」が誕生します。旅や移動は、くらしの一部になりました。旅はいま、非日常から日常に、参加するものからつくるものへと変化しています。MUJI HOTELには、高額で過剰なサービスも、質を削りすぎた殺風景な客室もありません。ちょうどよい価格でよく眠れ、旅先の体と心を整える空間と、宿泊する方と土地を自然とつなげるサービスを用意しました。タオルの手触り、コンセントやスイッチの配置、レストランのメニューの一つひとつが、よい旅の土台でありたいと思います。
ホテルの部屋って落ち着かない。それは安いビジネスホテルでもグレードの高いホテルでもだ。(本当にハイグレードなホテルは泊まったことないけど)
でもそれでも落ち着けるところにも時々出会う。
ぼくは今の日本の感覚に近いからだと思う。
西洋化が進み、ちゃぶ台からテーブルとチェアに置き換わって久しく、最近では畳のない家も増えてきた。それでも室内では足を伸ばしてくつろぐのは変わらない。
シティホテルに泊まると、ベッドとチェアあるいは一人がけのソファがあるばかりで、なかなか家でするようにはくつろげない。調度品もなんだか無機質だったり、普段目にしないテイストのものばかり。挙句にはくたびれた部屋を隠したいのか、薄暗い照明・・・。
MUJI HOTELは狭いながらもくつろげるゆったりしたソファに、陰翳をつけながらも、たっぷりの明かり、木材を多用しているので木視率が高く目に優しい。
たしかにゴージャスではないが、こんなにも充足したくつろげるシティホテルは、いままで泊まったことがない。
くつろげるホテルであると同時に、無印良品の考えにも触れられる場所でもある。
「Compact Life」
必要なものだけを、暮らしになじむように使い勝手のよいように収納し、そして好きなものや季節感のあるものに彩りを添える。
MUJI HOTELはまさにそれで、必要最低限のアメニティに「くつろぎ」と「活動」をわける収納の配置、そして本やアロマ、自然の風合いを残した無垢の素材といった彩りで部屋が構成されている。
階下には無印良品の店舗がある。バスソルトが欲しい、化粧品が欲しい、思ったより暑かったから服を買いたい・・・、
生活に必要なものを、最適なカタチでつくる、そんな商品が階下に並んでいる。
MUJI HOTELは無印良品が提案する暮らし、無印良品がある暮らしを体験できる場所である。
(最終更新日: 2019/09/16)