何者にもなれないぼくたちは

日々思った事、やってることの備忘録

【季刊・至点の視点】がっこうぐらし【2019夏至】

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大学はどんなところだろう。大学は何を学ぶところだろう。
何かを吸収する素地をつくる場所、考える力や知識を運用する方法を学ぶ場所、専門知識を学ぶ場所、遊ぶ場所、いろいろな答えがある。

ぼくは広い知見や視野を得る(あるいはそれらがあることを知る)場所だと思っている。
近年は女性差別や性的マイノリティの権利の改善など、様々な立場の人たちへの配慮が進みつつある。
一方で、見知らぬ他人の排斥も起こっている。山竹伸二氏は『「認められたい」の正体 承認不安の時代』(講談社新書)の中で、若者を中心にコミュニティが狭まってることと、その閉じたコミュニティの価値判断に従うことの危険性を指摘している。
実際に自分たちのグループ以外、眼中にないという行動がミクロ・マクロともに存在感を増している。トランプ米大統領のアメリカファーストや極右・ポピュリズム政党の台頭などだ。
それらは他人や知ることへの興味関心の喪失、それに基づく想像力の欠如に起因する。

大学では教養の科目や象牙の塔のような図書館など、幅広い知識に触れられる環境が整っている。それに遠方から来た学生やバイト・サークル、研究室のメンバーなど、高校までとは段違いに幅広い人たちと関わることになる。
学問を通じて、あるいは人を通じて、自分とは違う考え方や価値観に触れる。まだ感受性が豊かなうちに。
そうして自分や自分のまわりの価値観が絶対ではないことを学び、世界の広さ、空の深さを知る。そういう場所だと思う。

 

 

記事振り返り

オススメの本

ぼくの価値観を変えた本を10冊、紹介した記事。古典的名著や学術的な本は少ないが、そういう本は講義で読んだりするので、そうではない本を中心に選書した。


 

荷物

大学にもっているカバン選びに悩んだ人もいるだろう。ぼくなりに各カバンの特徴をまとめてみた。

ぼくが実際に持って行っている荷物も紹介している。

あと今の季節、傘を持ち歩く機会が増えるが、ぜひ折りたたみ傘を使っていただきたい。せめて横にしてもたないで・・・・・・

 

 

iPad

重たい荷物を持つのが嫌なので、教科書とノートをiPadにしてみた。

 

 

 学校のマンガ 

君と僕。

学園ものの日常系マンガが好きだ。『堀さんと宮村くん』『田中くんはいつもけだるげ』エトセトラエトセトラ・・・・・・

閉じたコミュニティの中で繰り広げられる、シェルターのような作品。冒頭のコラムを真っ向から否定するような内容だけど、まあ息抜きの物語だから大目をつぶってほしい。

 

今回紹介したいのは堀田きいち先生の『君と僕。』男子高校生5人を中心とした青春もの。
インターハイを目指して一致団結、ときには衝突とか、病院で亡き王女を弾くとか、そんなことは一切ない。毎日ゆるーく過ごして、梅雨で髪が爆発するとか日常の些細なことに一喜一憂して、受験に悩んだり、そんな等身大な日常が広がる。
その肩肘張っていない感じが心地よい。

でもひとりひとり個性をもち、ささいなことも大きな問題も、キチンと向き合って成長していく。大人になってくると向き合わずに、小賢しく逃げてしまう。
愚直な彼らのあまじょっぱさや感受性の高さは、失ってしまった自分が高校生だった頃の気持ちを思い出させてくれる。高校生の頃と今で読み味が異なる、そんな作品だ。

祐希と花代、春と雛子の話なんか読むたびにあまじょっぱさで身悶えする。